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なんだか信じられない

 村上春樹の新作を読みながらふと、思う。  僕に6歳の頃があったなんて、なんだか信じられない。  小学校に入学した時のことを思い出してみると(それは正確には5歳の頃であるが)、教室が校舎の角にあったせいか、円形の窓があって、そこから新緑の葉が揺れていたのを思い出す。  なんでそんな光景なんかを思い出すのだろう。  6歳の頃(実際には5歳)の記憶はそれが一番鮮明である。  そんな「素晴らしい時期」があったなんて、自分のことながら信じられない。  また30年後なんかに思うんだろうか。「あんなに素晴らしい37歳の時期があったなんて信じられない」と。